スロベニア国旗

アドリア海沿岸

スロベニアは海に面している箇所がほとんどなく、イタリアとクロアチアに挟まれた約47キロメートルの海岸線を持つのみです。
アドリア海沿いのピランイゾラコペルといった限られた港町だけが海に接しています。

ピラン ~Piran~

ピラン(ピラーノ)はトリエステ湾(Trstni zaliv)とピラン湾(Piranski zaliv)に挟まれた港町で、かつてのヴェネチア共和国の影響を強く受けているため、スロベニア内陸部の町とはだいぶ様相が異なっており、17世紀頃のゴシックやバロック式の建築、文化的遺産が多く残っています。
首都リュブリャナからはコペル経由で、バスで三時間弱で到着しました。

タルティー二エフ広場 ~Tartinijev trg~

観光拠点のタルティー二エフ広場

タルティー二エフ広場はピランの町の中心にある広場で、土産物屋や銀行、カフェなどが並ぶ観光の拠点です。元々は港でしたが、19世紀に埋め立てられたそうです。青空が映える美しい広場です。

市庁舎には本を持つ翼のあるライオンの像がある

広場にある市庁舎の建物。建物の三階に『本を持つ翼のあるライオンの像』があります。これはヴェネチアの紋章に描かれているものです。

ジュゼッペ・タルティーニの像 タルティーニの生家

広場にはピランが生んだ作曲家かつバイオリニストのジュゼッペ・タルティーニ(Giuseppe Tartini)の像が立っています。広場にはタルティーニの生家もあります。

塩の専門店ベネチャンカ ベネチャンカで購入した塩

広場の一角にベネチャンカ(Benečanka)という塩の専門店がありました。ピラン近くのセチョヴリエ塩田(Sečovljske Soline)で作られた塩を取り扱っています。

聖ユーリ教会 ~Župnijska cerkev sv.Jurija~

聖ユーリ教会 聖ユーリ教会の内部

タルティー二エフ広場から丘の上に上がっていくと、町を見下ろすように聖ユーリ教会(聖ゲオルギオス教会)が建っています。

天井のフレスコ画が圧巻

1344年に建てられた教会で、1637年にバロック様式やルネッサンス様式を取り入れた今の外観に改装されました。天井のフレスコ画が圧巻です。

聖ユーリの鐘楼 聖ユーリの鐘楼には四つの鐘がある

教会の隣には『聖ユーリの鐘楼(Zvonik cerkve sv.Jurija)』が建っています。最上部には四つの鐘があり、そこは約6メートル四方と非常に狭いですが登ることができます。

聖ユーリの鐘楼から見た風景

鐘楼の最上部は絶景のビューポイントになっています。淡い赤い屋根の家々がキレイです。

聖ヨハネの洗礼堂 聖ヨハネの洗礼堂の内部

さらに鐘楼の隣には、聖ヨハネの洗礼堂(Krstilnica sv.Janeza Krstnika)が建っていました。

城壁 ~Cerkev sv.Jurija~

ピランの城壁 ピランの城壁

聖ユーリ教会から東へ坂を上がっていくと、城壁に着きます。かつてオスマン帝国の侵入から街を守るために造られたものです。

ピランの城壁 城壁の階段は狭い

城壁には五つの塔があって物見台のようになっていますが、上り下りするための階段が狭いので、たまにすれ違う人待ちになることも…。

城壁から見たピランの町

城壁からピランの町を見下ろすとこんな感じです。聖ユーリ教会や鐘楼も右手に見えます。ピランがイストラ半島の先端にあることがよくわかる眺めです。右側がトリエステ湾、左側がピラン湾になります。

聖フランシス教会 ~Cerkev Sv. Frančiška~

聖フランシス教会と鐘楼

聖フランシス教会は1301年に建設が始まった、ピランでも歴史のある教会です。教会の東側には30メートルの高さの鐘楼があります。

聖フランシス教会への入り口

教会の入り口。右手にある扉は修道院の玄関です。教会前の広場は昔は墓地だったそうです。

聖フランシス教会の内部 聖フランシス教会メインの祭壇 16世紀初頭の棺 中庭の井戸は15世紀に作られた

入り口辺りの外観は地味な雰囲気ですが、中に入るとなかなか立派なバロック様式の教会です。17世紀から18世紀にかけてのヴェネチアの画家による彫像や絵画で飾られています

聖フランシス教会に至る裏路地

聖フランシス教会は細い路地を迷路のように進んでいった場所にありました。こうした裏路地をちょっとの不安を抱えながら歩き回るのも楽しいものです。

聖クレメント教会 ~Cerkev Marije Zdravja~

海沿いに建つ聖クレメント教会 聖クレメント教会 聖クレメント教会の内部は改装中

聖クレメント教会はイストラ半島の先端のとがった部分にある、13世紀に作られた石造りの小さな教会です。内部は改修工事中でした。

隣接する灯台

教会のすぐ隣(と言うかくっついている)には灯台もありました。

博物館 ~Muzej~

時間と予算の関係上、いずれも入場していませんが、ピランの博物館等々です。

海洋博物館 海洋博物館

海洋博物館(Pomorski muzej)では、港町として発展してきたピランの様子や、近隣の港を結ぶ航路、製塩の歴史などを紹介しているそうです。

ピラン水族館 ピラン水族館の錨のオブジェ

マリーナを挟んで海洋博物館の向かいにあるピラン水族館(Akvarij Piran)には、近郊の海で採取された様々な生物が飼育展示されているそうです。

海中活動博物館

海中活動博物館(Muzej podvodnih dejavnosti)ではダイビング機材の展示が充実しているそうです。

トリエステ湾 & ピラン湾 ~Trstni zaliv & Piranski zaliv~

前述の通り、ピランの町はトリエステ湾とピラン湾に挟まれています。

トリエステ湾 トリエステ湾 トリエステ湾の石碑

こちらがトリエステ湾。

ピラン湾 ピラン湾の赤と緑の灯台 ピラン湾

こちらがピラン湾。どちらも綺麗な海、ということで…。

ピラン港に停泊する船

ピラン港には、たくさんの船が停泊していました。ここからヴェネツィアへの定期便も出ているようです。

昼食をとったPirat Piratで食べた貝の盛り合わせ

昼食をとった Pirat という店です。『貝の盛り合わせ』を注文しました。貝の出汁をパンにつけて食べると、それはもう美味しかったのですが、分量が多すぎたのがキツかったです…。

イゾラ ~Izola~

イゾラは『島』を表すイタリア語で、昔はイストラ半島の沖に浮かぶ島の一つでしたが、19世紀に埋め立て工事が行われて、現在のように大陸と陸続きになりました。
ピランコペルのだいたい中間にあり、今回の旅行ではピランからコペルに向かう途中で立ち寄りました。
ピランからの所要時間はバスで約三十分程度です。

聖マウルス教会 ~Cerkev sv.Mavra~

イゾラのシンボル聖マウルス教会 付随の塔はサン・マルコ大聖堂にそっくり

旧市町の北端に建つイゾラの町のシンボル、聖マウルス教会です。14世紀から何度も増改築を繰り返して、今日の姿になったのは20世紀初頭だそうです。イゾラがヴェネツィア共和国に支配されていた頃の影響が強く、付随の塔はヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂にそっくりだそうですが、そちらを見たことがないのでよくわかりません…。残念ながら内部は撮影不可です。

パレンジャーナ博物館 ~Museo Parenzana~

場所が分かりにくいパレンジャーナ博物館 隣の赤いトンネルが目印

横断幕が無ければ普通のアパートと区別がつかない外観のパレンジャーナ博物館です。場所がとても分かりにくかったです。かつてイタリアのトリエステからクロアチアのポレチュまで走っていたパレンジャーナ鉄道に関する展示がメインだそうです。時間が無かったので、中には入りませんでした。

ハリアエトゥムのマリア教会 ~Cerkev Sv.Marije Alietske~

ハリアエトゥムのマリア教会

11世紀に建てられた、イゾラで最も古い教会のハリアエトゥムのマリア教会です。真っ白でキレイな教会です。ローマ時代にこの辺りはハリアエトゥム(Haliaetum)と呼ばれていたそうです。内部には入れませんでした。

砂利の海岸線が続く

オマケでイゾラのビーチです。さすがに五月ではまだ泳いでいる人はいませんでした。

コペル ~Koper~

スロベニアで唯一の貿易港があるコペルはかつてはヴェネツィア共和国の領土で、中世になってイストラ半島で初めて自治権を得た町です。
元々は『ヤギの島』という島と本土の陸地からなっていましたが、1825年に両者がつながれて、現在の形になりました。
イゾラからはバスで十五分程度と近く、首都リュブリャナまでは列車で三時間弱の帰路でした。

聖母被昇天大聖堂 ~Stolnica Marijinega vnebovzetja~

聖母被昇天大聖堂

聖母被昇天大聖堂聖ナザリウス教会(Cerkev sv.Nazarija)とも呼ばれ、ロマネスク様式で12世紀に建てられた教会です。

聖母被昇天大聖堂の内部 聖母被昇天大聖堂のマリア像

その後、ゴシック様式で基層の下半分、ルネッサンス様式で基層の上半分の改装工事が行われたそうです。

聖母被昇天大聖堂のキリストの磔刑像 聖母被昇天大聖堂の内部

内部は18世紀の建築家ジョルジョ・マッサーリ(Giorgio Massari)による装飾が見られます。

聖母被昇天大聖堂の鐘楼

1480年に建てられた鐘楼は市営の財産で、元々は軍事目的のために作られたそうです。その高さは約54メートル、二〇四段の階段を上ると展望台になっています。残念ながら、鐘楼は今回は訪問時刻が遅かったために閉まっていました。

コペルは天気が崩れた上に滞在時間も短かったので、その他の見所をザッと紹介します。

コペル博物館

17世紀初頭に建てられたバロック様式の邸宅が、現在はコペル博物館(Pokrajinski muzej Koper)の本館として利用されています。

執政官の宮殿

執政官の宮殿(Pretorska palača)はチトー広場(Titov trg)に建てられたヴェネチア共和国時代の建造物です。現在は市庁舎の一部として利用されています。

ロッジア

ロッジア(Loža)はスロベニアで唯一保存されているゴシック様式の市庁舎です。一階はおしゃれなカフェになっています。

コペル駅 駅前の蒸気機関車

終着駅のコペル駅。駅前には蒸気機関車が飾られていました。

味のある壁に描かれた絵

なんとも味のある、壁に描かれた絵。