フェズ Fès
1925年までモロッコの首都だったフェズ。フェズは新市街と旧市街に分かれていて、さらに旧市街はフェズ・エル・バリ(Fèz El Bali)とフェズ・エル・ジェディド(Fèz El Jédid)の二つの地域に分かれます。旧市街の全体が1981年ユネスコ世界遺産に登録されています。執拗に子供に後を付け回されてバカにされたり、ガラの悪い連中に絡まれたり、客引きに腕を掴まれて引っ張られたりと、何度もイヤな目に合いました。思い出しただけでホントに腹が立ちます。今回のモロッコ旅行で訪れた町の中で一番キライです。
フェズ駅 Gare de Fès


カサブランカから到着したときと、メクネスとの往復に利用したフェズ駅。フェズ新市街の北の方にあります。清潔で立派な駅でした。
新市街CTMバスターミナル


シャウエンに向かうときに利用した新市街のCTMバスターミナル。鉄道駅と逆のフェズ新市街の南の方にあります。フェズにはメディナにもCTMのバスターミナルがありますが、行ってないので場所はわかりません。

バスのチケットは乗車日の2日前に予約せずに窓口で買いました。この時は運良く買えましたが、フェズ~シャウエン路線は人気なので、ネット予約をして買うことをオススメします。自分はネットでのクレジット決済の方法がよくわからずに断念しましたが…。実際、乗ったバスは満席でした。
タジャモウアティ・モスク Mosquée Tajamouâti


タジャモウアティ・モスクは別に観光地というわけではないのですが、泊まったホテルの近くに建っていたので載せてみました。網目模様がキレイなミナレットを持つモスクです。
王宮 Dar el Makhzen



装飾が施された金色の正門の扉が見事な王宮。かつてはスルタンが居住していた物で、今ではモロッコの国王がフェズに来たときに利用するそうです。当然ながら一般観光客は入場できません。

王宮の前にはアラウィート広場(Place des Alaouites)というかなり大きい広場が広がっていて、思いっきりボールを蹴ったりしたくなる感じです。
ユダヤ人街メッラハ Quartier Mellah


中世にスペインで迫害されたユダヤ人たちが移住してきた旧ユダヤ人居住区のメッラハ。モロッコ国内のユダヤ人居住区の中でも、最も古いそうです。朝早かったせいか、まだお土産屋の類はほとんど開いていませんでした。
フェズ・エル・ジェディド通り Grande Rue de Fès El Jdid


フェズ・エル・ジェディド通りは民族衣装などの衣料品を扱う店が多い繁華街ですが、まだ準備中の店が多かったです。通りの東側に二つのモスクがあり、どちらも14世紀に建てられたものだそうです。

フェズ・エル・ジェディド通りの南側の門のスマリン門(Bab Semmarine)。

フェズ・エル・ジェディド通りの北側の門のダッカーキーン門(Bab Dekkakin)
ブー・ジュルード庭園 Jardins de Bou Jeloud




フェズのメディアの喧騒とはかけ離れた、ゆったりとして落ち着いたブー・ジュルード庭園。キレイに整備された公園で、大きな池もありました。

なんと竹林もありました。モロッコでこんな立派な竹を見るとは思いませんでした。
ブー・ジュルード門 Bab Bou Jeloud


フェズ・エル・バリへ入る門の中で最もポピュラーなブー・ジュルード門は1913年に建造されました。メディナの外側は青、内側は緑のタイルで彩られた、表裏非対称の珍しくも美しい門です。観光客人気も高いので、人を入れないように写真を取ろうと思ったら至難の業です。あと、自分は大丈夫でしたが、この辺りは「ガイドいらない?」の客引きが多いそうです。


ブー・ジュルード門の近くの La palma という店で昼食を取りました。食べたのはタジンとミントティーです。ここで初めてミントティーを飲んだので『こんなに甘いものなのか!』と面食らいましたが、すぐに慣れて美味しく思えました。
フェズ・エル・バリのメディナ Medina



1000年以上の歴史を持つ、『古びたフェズ』を意味するフェズ・エル・バリのメディナ。路地の両サイドにビッシリと店が並び、大勢の行き交う人で溢れているという、多くの人がフェズに抱くイメージはここだと思います。鬱陶しい客引きがいなければ、いかにもなイスラム文化の雑踏の雰囲気は最高なのですが…。






メディナでは雑貨、衣類、食料品、貴金属など、色々な物が売っています。カラフルなものが多いので、目に楽しいです。これだけ競合している店が多いと、売上は大丈夫なのかちょっと心配になります。

肉屋の店先に吊るされていたラクダの頭。なかなか衝撃的な絵面です。


メディナは自動車やバイクは入って来られないので、安心して歩けます…と言いたいところですが、荷物を積んだロバが通るのでぶつかりそうになります。細い路地など道幅いっぱいになることもありました。


フェズのメディナには10000以上の路地と1000以上の袋小路があるそうです。こういうところが世界一の迷宮都市と言われる所以でしょう。
ブー・イナニア・マドラサ Médersa Bou Inania


ブー・ジュルード門のすぐ近くにあるブー・イナニア・マドラサは、有料ですが非イスラム教徒も見学できます。1537年にマリーン王朝のブー・イナニア王によって建設された、フェズで最も大きいイスラム神学校です。同名のマドラサがメクネスにもあります。

壁面や木製のドアには細かい装飾がなされています。

大理石を敷き詰めた中庭にある、授業やお祈りの前に身体を清めたという水盤。
ネジャーリン広場 Place Nejjarine


木工職人を意味する名前がついたネジャーリン広場です。メディナの中でも特に人が多い繁華街です。ネジャーリン・フンドゥーク(Nejjarine Funduq)というもともとは宿だったところが、今ではネジャリーン木工芸博物館(Fondouk Nejjarine)となっています。

ネジャーリン広場にあった泉には美しいモザイクが施されていました。コップが多いてありましたが、流石に水を飲む勇気はありませんでした。
ザヴィア・ムーレイ・イドリス廟 Zaouia de Moulay Idriss




フェズのメディナを築いたムーレイ・イドリス2世が眠るザヴィア・ムーレイ・イドリス廟。聖域とされているので、非イスラム教徒は中に入れません。入口からちょっとは覗くことができるので、その神聖な空気感は感じることができます。ムーレイ・イドリスにも同名の廟がありますが、そちらはムーレイ・イドリス1世の墓です。
アッタリーン・マドラサ Médersa El Attarine



1325年に建てられたアッタリーン・マドラサ。ブー・イナニア・マドラサと同じマリーン朝時代の神学校です。こちらも有料ですが非イスラム教徒も見学できます。天井や壁にはとても精密で繊細な彫刻が施されています。

中庭にある大理石の噴水。マドラサでは定番の構造のようです。
カラウィン・モスク Mosquée Karaouiyne


2000人もの教徒が収容できるフェズ最大のモスクのカラウィン・モスク。元はシンプルに祈りを捧げる場所でしたが、その後学問を学ぶ場所になり、今では大学としても登録されているそうです。非イスラム教徒は入場できません。

中庭にある噴水で足を洗っている人々。暑かったので、ちょっとうらやましかったです。
サファリーン広場 Place Seffarine



鍋などの銅製品を作り、売っているサファリーン広場。熱した銅を急冷しているのか、もうもうと湯気が立ち込めていました。製作の様子は観光客に大人気でした。

広場にあるフェズで最も古い神学校のサファリーン・マドラサ(Médersa Seffarine)。既に廃校になっていて、今は開校してません。
スーク・ダッバーギーン Souk Dabbaghin


なめし革を染色する職人たちの仕事場、スーク・ダッバーギーン。フランス語でタンネリ(Tannerie Chouara)とも呼ばれています。作業場の入口に近づくと客引きの少年が寄ってきたので、何回かスルーした後にきちんとしてそうな子に案内を頼むと、革製品のお店のテラスのような場所に連れて行かれました。

作業場は漂白と染色の二つのエリアに分かれているそうです。染色エリアでは大きな丸い穴に染料が入っていて、その中で職人がなめした牛や羊の皮を染色しているようでした。炎天下にかなりの重労働っぽく見えました。

漂白エリアでは、漂白に用いるアンモニアの臭いが周囲に立ち込めます。「作業場は臭いから鼻にミントの葉っぱを詰めろ」と貰ったのですが、まだ真夏ではなかったからか、思っていたほどの臭いではありませんでした。


干されている染色後の革。一通りの見学の後に革製品を売っている場所に案内されて、何か買ってくれと言われました。特に欲しい物もなかったので、買わずにチップで済ませましたが…。

おまけでテラスから作業場じゃない方を見たところ。大量のパラボラアンテナが見えました。
ルシーフ広場 Place R'cif



メディナの南東の出入り口のルシーフ門(Bab R'cif)を出たところがルシーフ広場。ここまでは車両が入って来れるので、バスやタクシー乗り場があります。広場からはルシーフ・モスク(Mosquée R'cif)のミナレットも見えます。
墓地 Cimetière de Bab Guissa

メディナの北の出入り口のギッサ門(Bab Guissa)。


このギッサ門を出てすぐのところに墓地が広がっていました。真っ白な墓石が向きを揃えて整然と並んでいました。ちょっと墓と墓の間隔が狭いような…。

なんか格好良い黒山羊に見下されました。
マリーン朝の墓地 Tombeaux Mérinides



上記の墓地のすぐ西の丘の上に、マリーン朝の墓地と呼ばれるマリーン朝のスルタンたちの墓があります。当時は立派な大理石の墓石が立っていたそうですが、今では一部の壁が残っているだけの、観光スポットとしてはちょっと寂しい場所です。

しかし、ここはフェズの町並みを一望することができるビュースポットになっています。もっと日が暮れてから来た方が、夕日に包まれてキレイだったかも。
その他


宿泊した Hôtel Volubilis。フェズ駅から遠くない新市街にあります。プールもあるなかなかの高級ホテルでした。

フェズ市内を走るプチタクシーの色は赤です。

泊まったホテルの近くにあった噴水のあるアメッド・エル・マンスール広場(Place Ahmed El Mansour)。

同じく泊まったホテルの近くにあった州庁舎(Conseil Régional)。


日本からは撤退してしまったフランス資本スーパーマーケットのカルフール(Carrefour)。

マクドナルドもありました。

マックの近くにいたミッキーマウスのたぶん無許可の偽物。

食事でタジンを頼むと蓋が無い状態で出てきてしまうので、蓋付きのタジン鍋の写真。

オレンジジュースをその場で作ってくれる屋台。安くて美味しいので、屋台を見つける度に飲みました。


自家製ヨーグルト。トロッと甘くて美味しかったです。駄菓子のモロッコヨーグルとは違います。




もちろんフェズにもネコたちがいました。